気球用制御装置の研究開発で共創
AstroXとJAXAは、気球に搭載した大型構造物の姿勢を高精度にコントロールする気球用プラットフォーム懸垂型姿勢制御装置の研究開発を共創し、多用途での活用を目指す。
AstroXは、高空での気球を用いた事業の実現を目指し、気球用懸垂型の姿勢制御装置の開発に着手。、試作機の構築・試験を実施し、製品化への開発を進めているが、飛翔中の気球ダイナミクスや成層圏環境に関する専門的知見や制御装置の実フライトによる実証試験での課題があった。
JAXA/ISASでは、気球を用いた天文観測等の研究を多数実施され、大型望遠鏡やセンサの姿勢制御技術や経験が蓄積されており、高性能な姿勢制御装置を汎用のシステムを構築できれば、気球実験実施での基盤技術として、次世代の天文観測実計画など、様々な実験への利用が可能となることから、共創を合意した。
AstroXは姿勢制御装置の地上での評価試験、製品としての繰り返し利用に必要な高信頼化・高耐久化の技術開発、姿勢制御装置のパッケージ化開発を行う。一方、JAXAは気球本体に懸吊し大型搭載物の姿勢を高精度で制御できる姿勢制御装置の開発と、装置の実フライト試験環境での技術実証に向けた準備を実施する。
今回の共創活動により、AstroXは気球用プラットフォームとしての懸垂型姿勢制御装置の開発推進により、高空での気球を用いた事業の早期実現を目指すとともに、非宇宙分野製品(HAPSや地上用クレーン等)への適用といった事業拡大を狙う。
JAXAは、今後の気球天文観測に本開発で得られた姿勢制御装置を活用し、気球実験における基盤技術を高度化する方針だ。
2024年12月10日