-- 天文・理科学ではない宇宙の「産業」「ビジネス」に特化したメディア --

超小型衛星を共同開発、複数エネ技術を搭載

関西大学、福井大学、名城大学、アークエッジ・スペース等が共同開発した10×10×10cmの超小型人工衛星「DENDEN-01」が完成し、JAXAへ引き渡した。

 

超小型人工衛星は電力や質量、サイズの制限に加え、熱容量も小さいため、宇宙空間の急激な温度変化の影響を受けやすく、安定した電力供給の実現が課題となっていた。

今回、共同開発された超小型衛星は、温度が変化すると物質の結晶状態が変化し、この過程で熱を吸収または放出することができる「固-固相転移型潜熱蓄熱材(SSPCM)」を活用した電源温度安定化装置や超小型衛星に適した民生リチウムイオン電池など、新手法による複数のエネルギー技術を搭載し、今後の超小型衛星開発に役立つ複数のエネルギー技術および高負荷ミッションの軌道上実証を実施する。

共同研究グループでは、「エネルギー技術は人工衛星の核心部であり、その信頼性の向上と小型化・軽量化は、今後の宇宙産業を担う超小型衛星の性能と信頼性を左右する重要な要素。今回のプロジェクトで得られる成果は、高機能な超小型衛星の開発を加速し、日本の宇宙産業の発展に貢献したい」としている。

超小型人工衛星「DENDEN-01」は、今秋に国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打上げられ、その後、高度380~420km程度の円軌道に投入される。

ニュースソースを読む