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観測対象デブリの周回観測に成功

アストロスケールは、2月に開始した商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ)」のミッションにて、観測対象のデブリの周回観測に成功したと発表した。

 

 

▲周回観測にて撮影したデブリ

 

運用を終了した衛星等のデブリは非協力物体と呼ばれ、外形や寸法などの情報が限られるほか、位置データの提供や姿勢制御などの協力が得られないため、劣化状況や回転レートなど、軌道上での状態を把握しつつ対象デブリに安全・確実にRPO(ランデブ・近傍運用)を実施することは、デブリ除去を含む軌道上サービスには不可欠な技術となる。

ADRAS-Jは実際のデブリへの安全な接近を行い、近距離でデブリの状況を調査する世界初の試み。具体的には、大型デブリ(日本のロケット上段:全長約11m、直径約4m、重量約3トン)への接近・近傍運用を実証し、長期間軌道上に存在するデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行っている。

今回実施した周回観測では、デブリから一旦待避していたADRAS-Jを再度接近させた後、デブリの周囲を約50mの距離を維持しつつ姿勢を制御しながら360度周回飛行する運用を行い、鮮明な連続撮影に成功した。同社では、「一定の距離を保ちながら物体の周りを飛行する、RPOの中でも非常に高度な技術を実証できた」と説明し、「宇宙ミッションにて、世界初の運用に成功したことになる」と強調した。

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