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月面探査車計画 「Project YAOKI」 技術パートナーにパンチ工業らが参画

ダイモン(東京都大田区、中島紳一郎CEO)が開発する超小型・超軽量の月面探査ロボット『YAOKI』(ヤオキ)による月面探査車計画「Project YAOKI」の技術パートナーとして、5月8日、パンチ工業(本社=東京都品川区、森久保哲司社長)が契約を締結した。

パンチ工業は、金型部品の製造・販売および金型関連の付属品販売を提供する企業であり、ダイモンが開発中の月面探査車YAOKIへの3Dスキャナ計測サービスの提供を契機に、金属部品加工や金属一体化技術「P-Bas」(※接合や焼結の技術を意味するパンチ工業独自の造語)による新素材開発で月面実験プラットフォームであるYAOKIと連携し、月面市場の開拓に向けて共同で取り組んでいく。

◀調印式で。(中央左)ダイモン中島CEO(同右)パンチ工業森久保社長

加えて、3月16日には、中央エンジニアリング(本社=東京都千代田区、石田豊社長)との同プロジェクトにおける技術パートナー契約を締結している。中央エンジニアリングは、国内トップクラスの技術力による設計開発から解析、試作まで網羅したワンストップサービスを強みに、テクノロジーの最先端を歩み来年には創業70年を迎える。航空宇宙分野をメインとし宇宙関連では国産ロケットの設計・開発を中心に、宇宙ステーションや人工衛星関連機器なども手掛け、各種試験対応や打ち上げの支援なども行っている。

三菱ケミカルでパートナーミーティング開催

また5月11日、パートナーシップ企業である三菱ケミカルのScience & Innovation Center(横浜市青葉区)において、Project YAOKIのパートナーミーティングが開催され、同プロジェクトのパートナー企業や関係者が集い、プロジェクトの進捗共有や新規パートナーの紹介、懇親会が開かれた。

ミーティング後には同センター内の展示エリアを見学し、参加者たちは三菱ケミカルの最先端の素材技術を体感しながら、多様な素材に触れた。パートナーミーティングは今後も四半期に1度のペースで開催され、Project YAOKI各社の連携を深めながら、月面開発に取り組んでいく。

Project YAOKIは、ダイモンが開発した月面探査車 YAOKIを月面に輸送し、月面走行および月表面の接写画像データの獲得を行い、資源確保や居住区など人類の活動拠点構築に向けた月面探査を行うプロジェクトで、23年には、NASAの商業月面輸送サービス(CLPS)に採択された米国の民間企業インテュイティブ・マシーンズ社のミッションIM-2で打ち上げる月着陸船Nova-Cに、YAOKIが1台搭載され、着陸後に月面へ落下して探査を開始する予定。

◀月面探査車「YAOKI」