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青木英剛氏(宇宙エバンジェリスト)講演 ・宇宙ビジネスの最新トレンド、「主役は官から民へ」

昨年11月27日~12月1日に東京・日本橋エリアで開催された『NIHONBASHI SPEACE WEEK 2023』のオープニングセレモニーでは、「宇宙ビジネスの最新トレンド」と題し、一般社団法人スペースポートジャパン理事、クロスユーサポーターの青木英剛氏が講演した。

青木氏は、宇宙ビジネスおよび宇宙技術の両方に精通するバックグラウンドを活かし、宇宙ビジネスの可能性を広める「宇宙エバンジェリスト(伝道師)」として、政府やJAXAの委員、企業や自治体のアドバイザーとして活動している。講演では、「現状では、宇宙ビジネスは放送通信や位置情報(GPS)といった現代の生活には欠かせないツールが中心となっている。2040年には100兆円市場に拡大する見込みであり、世界的にもスタートアップ企業が躍進中で投資金額も拡大している。『主役は官から民へ』。宇宙産業に新規参入した日本の大企業は119社となるなど、民間を先導に官民連携による新たな市場開拓が進行している」と説明。

また、今後の宇宙ビジネスの注目領域として、「宇宙ビッグデータ(地球観測等)」「宇宙インターネット」「惑星探査(月探査等)」「宇宙旅行」の4つの成長分野を挙げ、「特に宇宙旅行は、一般消費者向けのビジネスで、観光やエンタメなどに加え、日本を宇宙輸送産業のハブにと考えるスペースポートビジネスへの期待も高まっているなど、宇宙ビジネスの可能性は拡大している」と主張した。さらに、今後の課題として、「持続可能な宇宙利用(スペース・サステナビリティ)をキーワードに、宇宙環境に配慮した取り組みが重要。宇宙産業の成長・発展には、幅広い産業界と政府・自治体、教育研究機関、海外との多様な連携を促進することで、新たな宇宙ビジネスの可能性が創出できる」と、拡大する宇宙産業の魅力をアピールした。


▲自らを「宇宙ビジネスと技術の二刀流」と称する青木氏