宇宙での半導体製造技術を革新
レゾナックと米国のAxiom Spaceの、宇宙空間での高機能半導体材料の研究・開発・製造に関する覚書(MOU)を締結により、微小重力環境を活用した次世代半導体関連技術の進化、宇宙での半導体製造の市場創出の可能性が広がる。

▲Axiom Space若田光一氏(左)とレゾナックCTO福島正人氏(右)
同合意により、両社は、微小重力および低軌道の真空条件下で、半導体や半導体パッケージング向けの次世代半導体材料製造の可能性を探る。微小重力環境下では対流や沈殿が発生しないため、欠陥のない半導体バルク結晶や樹脂、2次元材料の生成が可能となる。同プロジェクトでは、国際宇宙ステーション(ISS)やアクシオム・スペースの軌道プラットフォーム、将来設計される予定のアクシオム・ステーションを活用し、概念実証から商業規模での製造へと段階的に進める予定。
同合意の一環としてレゾナックは、現在アクシオム・スペースと取り組んでいるプロジェクトも拡大する計画で、宇宙放射線により半導体デバイスに発生するソフトエラーを低減させる封止材の開発を進めている。ソフトエラーは、宇宙線がトランジスタに入り電子を散乱させることで、ビットが反転して生じる現象であり、この課題に対応するため、レゾナックは、国際宇宙ステーション内外で封止材の試作品を評価する。
2025年10月17日