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『スペースコロニーラボ』設立、技術開発・事業化推進 スペースデータ社とABLabが企画運営

ABLab(東京都中央区、代表理事・伊藤真之氏)とスペースデータ(東京都新宿区、代表・佐藤航陽氏)は、共同で企画運営しスペースコロニーの実現に向けた研究組織『スペースコロニーラボ』を立ち上げた。

スペースコロニーラボは、多様な業界から参加企業を募り、スペースコロニー実現に向けた技術開発と事業化を推進するオープンイノベーション型のコミュニティであり、参加企業が各々の強みを活用して新たにスペースコロニー事業に参入できるよう支援するとともに、相互協力や共同研究を促していく。スペースコロニーを実現するためには、宇宙に限らず、ほぼ全ての異業種分野においてテクノロジーを同時進行でアップデートしていかなければならず、スペースコロニーラボは宇宙における課題を整理し、多様な業界に向けて働きかけを行なっていく。「テクノロジーで新しい宇宙をつくる」ことをビジョンに掲げ、革新的技術の発明・特許化・実用化を行うイノベーターカンパニーであるスペースデータ社は、同社が掲げるミッションのひとつ「スペースコロニーの実現」に向け、業界を超えた協力推進でテクノロジーのアップデートを後押ししていく。

具体的な取り組みとしては、持続可能な生活環境の設計、資源の効率的な利用、宇宙環境下での人間の生活に必要な技術の研究を進める。初期は次のようなテーマに絞って検証を進めていく予定。▽宇宙×食料生産=宇宙農業、宇宙食、3Dフードプリンター▽宇宙×電力供給=宇宙太陽光発電、バッテリー技術▽宇宙×建築技術=モジュール型住宅、3Dプリンタ建築▽宇宙×循環技術=水と空気の供給・循環システム▽宇宙×ロボット=テレイグジスタンス、スマートロボット▽宇宙×エンタメ=VR活用、eスポーツ活用。

スペースコロニーラボは、宇宙ビジネスの実践コミュニティ、ABKab内に設置し、ABLabが推進するプロジェクトのひとつとして活動を進めていく。すでに5年にわたって活動を続け、事業創出や人材輩出の仕組みが形成されたコミュニティ上に発足させることで、よりスピーディーに活動を展開していく。ABLabに法人会員または個人会員として入会することで、業種業界を問わず様々な法人・個人が今すぐこのプロジェクトに参加できる。参入の敷居が高いというイメージのある宇宙分野だが、既存の宇宙コミュニティを利用することで、情報収集やネットワーキング、有識者への気軽な相談の場を低コストで得ることができる。

スペースコロニーとは、通常は巨大な宇宙施設を指すが、月面や火星上の居住エリアも含まれる。近年、世界中の政府や企業が月面開発や火星探査を推進しており、宇宙での生活が現実のものとなる日もそう遠くないと思われる。地球の人口増加と環境破壊が進行する中、人類が地球に永続的に住むことが困難になる可能性があり、そのような状況を避けるため、スペースコロニーの建設を通じて宇宙を新たな人類の生活圏にすることを目指す。2000年代はグローバル展開が大きなトレンドだったが、これからは地球だけでなく、宇宙を視野に入れた「ユニバーサル展開」が主流になると考えられる。

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