-- 天文・理科学ではない宇宙の「産業」「ビジネス」に特化したメディア --

さようなら、ELSA-d/捕獲機が軌道離脱制御に移行(アストロスケール)

宇宙の持続可能性(スペースサステナビリティ)を実現するため、2021年と22年にデブリ除去のためのコア技術の実証に成功した、アストロスケールホールディングス(本社=東京都墨田区、創業者兼CEO・岡田光信氏)のELSA-dミッションが、捕獲機(サービサー衛星)の軌道離脱制御という重要な最終フェーズに移行することになった。

まず、一定の間隔で軌道離脱のためのスラスタ駆動を実施。使用可能なスラスタが限られる中で、マヌーバ一つ一つから得られる多くのデータをもとに軌道離脱に最適な「燃焼と待機」期間を設定する。そしてそのサイクルとマヌーバの最適値を確立後、マヌーバの頻度を上げる予定であり、これにより大気圏再突入のスケジュールがより明確になる。現時点では、軌道離脱のためのプロセスに数ヶ月かかることを想定しており、23年内の運用完了を目指している。

また、模擬デブリ(クライアント)に関しては、マヌーバ機能を備えていないため、今後数年で自然に軌道から外れることになる。

◀デブリ除去技術実証衛星「ELSA-d」